local vitalization
地域まちづくり

行政や地域の組織、住民、事業者が主体となって推進するまちづくりや地域再生、産業振興や地域ブランディング等の事業とそれらに関連する個別活動の支援を行っています。

─ 地域型まちづくりの考え方

私たちは、”まちづくり”は目的ではなくその地域に住む方々を幸せにするための手段だと考えます。当たり前のことですが、地域や人はそれぞれに異なる特性をもっており、幸せのかたちもそれぞれに異なります。私たちはその違いをきちんと認識し、適切な課題設定とこれに基づく解決手法の選択をおこなうことが大切だと考えます。

─ PODのまちづくりの特徴

本質的な課題設定に基づく解決手段の選択

まちづくりにおける失敗の多くが課題設定や解決手段の間違いによるものです。まちづくりは万能ではなく、向き合うべき課題がまちづくりの領域の外にあることも少なくありません。私たちはそのような間違いを防ぐため、業務初動期において目的や期待成果、制約条件を丁寧に確認し共有した上で、 まちづくり以外の領域も見据え、本質的な課題設定とこれに基づく解決手段を検討、提案します。また、業務発注前の計画段階における相談等の支援も行います。

民間事業における経験、ノウハウの活用

官民連携における課題の一つが、双方の理解不足による事業価値の低下や事業自体の不成立です。これを防ぐためには官民双方の課題意識や意思決定のプロセス、タイミングの違いを理解し、事業を推進することが重要です。私たちは不動産開発やエリアマネジメント、店舗経営などの民間事業における経験やノウハウを活用することで、事業計画や事業推進の確度を高めていきます。

マネジメントの手法を取り入れ戦略、推進プログラムづくり

マーケットが縮小した地域にいおいて重要なことは、既存ターゲットを大切にしつつ新たな地域の価値を創出し、需要を創造していくことです。私たちはこれを実現するため、マネジメントの手法(マーケティング+イノベーション)を用いた検討を行い、これに基づき都市/地域戦略、それらを実現する推進プログラムを作成します。

地域特性を踏まえた仮説を持ち、小さく試し、軌道修正し続ける事業推進

社会状況や経済状況の変化が激しい時代においては、計画を作成しその通りに実施することを重視した事業推進では変化への対応が困難です。また、まちづくりは不確定要素が多く、地域や組織それぞれに異なる特性や課題を有しており、単なる成功事例の焼き直しではうまくいかないことも多いです。私たちはこのような問題を防ぐため、地域特性を踏まえた上で仮説を立て、小さく試しながら軌道修正を繰り返し確度を高めていくリーン型の事業推進を提案します。

地域自らが持続可能な仕組みづくり

「専門家や支援者が抜けた途端にまちづくりが行き詰まってしまった」「まちづくりを行っていたはずなのに組織の維持やイベントの実施が目的になっている」「民間事業における経済などの波及効果を求めるべきなのに地域貢献活動の負荷を高めすぎて本業に支障が生じた」など、せっかくまちづくりに取り組んだのに持続しないケースは多く存在します。私たちはこのようなことにならないよう、手法や組織ありきではない、地域が自ら持続していけるまちづくりの仕組みを提案します。また、まちづくりの推進にあたり阻害要因や関係者間での意識差が存在する場合は、始めにそれらを取り除くプロセスの提案も行います。

─ 特徴的な業務紹介

関内駅周辺地区再整備/横濱まちづくりラボ運営

  • 市役所移転に伴う地域の衰退を防ぐため、地域の公有施設や公共空間の利活用、再整備を起点に地域価値を高めることをめざした事業。
  • 公有施設の再整備に興味を示す総合ディベロッパーがいなかったとことから、地域価値、事業価値を高めるためのマーケティング検討と事業推進のための戦略及び実施プログラムの作成を実施。
  • これに基づき事業組成可能な多様な主体と行政、地域が参加するオープンイノベーション型の検討の場(横濱まちづうりラボ)の実施を提案、運営を支援すると共に事業推進を支援。
  • ラボには開発、建築、金融、施設運営の他テナント候補となる国内外の企業や地域住民が参加。ワークショップ型でまちづくりや事業を検討、具体的なコンセプト、施設計画に加え、事業収支や開発手法など高いレベルでの検討を実現。市ではこの成果を基に事業検討、公募要項づくりを実施。
  • なお、ラボにおいて提案された当該地区の公共空間利活用は新たな事業として推進。さらにラボで培われたノウハウやネットワークは、他の公共施設利活用検討にも活用。

隅田公園・北十間川エリマネジメント検討/公共空間利活用推進

  • 隣接する河川テラス、鉄道高架下、区道、都市公園の整備に伴い、地域環境の向上と周辺地域への波及効果の創出を目指した官民連携による事業。
  • 当初エリアマネジメントのしくみづくりを目指していたが、関係者間でエリアマネジメントについての意識差が大きいこと、投下可能な資源が少ない事、目的、目標を踏まえるとエリアマネジメントでなくても充分それらは達成可能なことから、公共空間利活用に軸足を置いた事業への移行を提案。
  • 並走する水辺活用協議会において河川テラスの運営のしくみとめざすべき公共空間の利活用イメージを検討。その結果イベント中心の利活用ではなく、豊かな日常風景の創出を目指すことを確認。
  • 当該地区の公共空間の認知度、認知経路、知覚品質、活用実態等の現状を把握するためのネット調査を実施。これを踏まえ自発的かつ自立的な公共空間利活用の実現を目的としたマーケティング検討及び推進プログラムづくりを実施。さらに公共空間活用の手引きとなる冊子を作成。
  • これに基づき行政職員自らが公園内に拠点を置き公共空間利活用を実践、これを起点に地域内外の人やグループの利活用を誘発。さらに共同イベントの開催を通し運営の仕組づくりへと移行。

小田原歴史的建造物利活用

  • 市内に現存する明治期から昭和初期にかけての歴史的建造物(公有及び民有)を利活用することで、地域の振興と歴史的建造物の維持実現を目指した事業。
  • 民間事業者の利活用を目指し、マーケティングの手法を活用した建物別の利活用案を検討するとともに、それぞれの状況に応じた事業スキームを検討、これらを合わせた利活用計画案を作成。また、過年度作成されたエリアコーディネートプランを検証、課題を抽出し利活用計画へ反映。
  • 一方、利活用案を踏まえ利活用候補者となりうる民間事業者へのヒアリングを実施。これにより民間における事業実施の要件や決済のタイミング、プロセスなどを理解した上で公募要件整理。
  • 並行して民間提案制度、適用除外条例等の事業公募や建築に関する新たな公的制度の導入を支援。
  • 派生業務においてSNSを活用した広報を実施、従来の公共施設利活用関連のチャネルでは情報が届かない事業者へのリーチを実現。一部建物においては公募が実施され、利活用者が決定。
  • 清閑亭
  • なりわい交流館
  • 参照:小田原シティプロモーション Facebook広告

日本橋問屋街まちづくり

  • 江戸時代より続く日本有数の問屋街において、地域における事業環境と不動産状況の急激な変化に対応するため、商いと不動産の改革を同時に推進する事業。
  • 事業に先立ち問屋の現況、展望と顧客状況を把握するためのヒアリング及びアンケート調査、分析を実施。これに基づき地域の将来ビジョンを策定するためのタウンミーティングの進行ととりまとめ、実現に向けての戦略検討を行う。
  • 地域の将来ビジョン実現と不動産状況の急激な変化の抑止、良質な不動産創出の推進のため、デザインコードの策定とこれに基づくデザイの協議会の組成、活動の主体となるまちづくり会社の設立・運営、デザイン協議等を継続的に支援。
  • 不動産オーナーの不動産に関する知識の非対称性問題に対応すべく、不動産セミナーを企画、開催。

─ 業務責任者

略歴

橘昌邦 共同代表

橘昌邦 共同代表/地域再生マネージャー

東京理科大学理工学部建築学科卒業後、渡仏。帰国後、1995年に㈱アフタヌーンソサエティに入社。以後、様々な建築プロジェクト及びまちづくりプロジェクトに携わる。
2003年に神田において、老朽ビルを活用したまちづくり拠点の機能を兼ね備えたクリエイティブクラス向けシェアオフィス「REN-BASE UK01」を立ち上げ、ここを拠点に自ら「現代版家守」として地域の“不動産問題” “産業問題”に同時に取り組む「家守型のまちづくり」を実践。
2005年からは歌舞伎町や築地場外市場のまちづくり支援を担当し、歌舞伎町においてはタウンマネジメント組織の立ち上げや吉本興業東京本部社屋の移転プロジェクトなどを手がける。
2010年神河恭介と共に「POD」を設立。公的組織や地域組織の依頼を中心とした地域型まちづくり領域の業務を主に担当。

そのほか、これまでCET(セントラルイースト東京)・ディレクター、アーク都市塾都市開発ビジネスコース・コース指導、東京理科大学工学部建築学科・非常勤講師、ふるさと財団・地域再生マネージャー、神田駅西口商店街振興組合・理事、UDCO(アーバンデザインセンター大宮)・コーディネーター、横山町馬喰町街づくり会社・顧問等を務める。
テレビ、ラジオ、新聞、専門誌等における記事掲載、出演、執筆や講演会、シンポジウム、研究会等での講演多数。

主な業歴 ※POD設立以前

建築・不動産関連

  • ふれあいセンターいずみ (企画、立上げ支援)
  • REN-BASE UK01 (企画、整備、運営)
  • 早戸温泉つるの湯 (企画、デザイン監修)
  • 吉本興業東京本部新社屋(旧四谷第五小学校) (移転、リノベーション支援)

まちづくり・地域再生関連

  • みしま工人郷 (立上げ支援)
  • 神田RENプロジェクト(現代版家守事業) (企画、推進)
  • 家守塾 (企画、運営)
  • 築地場外市場地区まちづくり (築地食のまちづくり協議会設立・運営支援)
  • 歌舞伎町版家守事業 (企画、推進、歌舞伎町タウン・マネージメント設立・運営支援)
  • 地方の元気再生事業「庄内柿をテーマとした夢の倶楽ブランド開発事業」 (企画、運営支援)

地域イベント関連

  • TDB-CE(東京デザイナーブロック・セントラルイースト)、CET 04,05 (セントラルイースト東京) (ディレクター、事務局長)
  • 神田技芸祭 (初回総合プロデューサー)

参考サイト